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徒然なるままに読んだ本の覚書。 ネタバレ有です。ご注意ください。
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一年ぶりぐらいの更新。
相変わらず本しか読んでねぇ。

今日、尼で『趣味の問題』をポチりました。
早よう届けー!
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中国・台湾のデリケートな問題を赤裸々に描くと同時に、主人公・藤堂を中心とする人間ドラマをもがっつりと読ませてくれた作品。

【いい加減なあらすじ】
歴史が生んだ空白地帯、金門島。
流れ者たちの天国であったこの島で殺人事件が発生してから、密貿易に手を染める藤堂の周辺が慌しくなっていく。やがて、天国だったはずの島は、地獄へと様変わりし始める…


藤堂が金門島という泥沼と運命に足をとられ、沈んでいく様が見事。
もともと、藤堂は日本で商社に勤めていたのですが、ある出来事をきっかけに日本から逃げ出し、金門島へと移り住みます。

 「逃げる」ということは、非常にしんどいことだと思うのです。自分が納得できるだけの「逃げる理由」がないと、どこかで壊れてしまう。藤堂が逃げ続けた理由は何だったのかが、気になります。物語の後半で藤堂が自分の息子に言った、いつか罪を犯した苦しみがお前を壊す、という言葉が印象的でした。逃げながらも、藤堂には壊れる覚悟はあった訳ですから。
 ラストへ近づくにつれて、藤堂は過去に犯した罪の裁きを受けていきます。その裁きは、人間の思惑を超えた運命とも呼ぶべきもの。生きながらにして地獄をさ迷うかの如き展開は、読んでいて苦しいものの、本当に見事。

重いし暗い話ですが、夢中で読ませる作品です。

(同時収録の「瑞芳霧雨情話」は展開が鬱すぎて、駄目でした…)



映画より小説の方が面白いじゃないか。横山作品の中では、『第三の時効』・『真相』に次いで好きな作品になりました。もっと早くに読んでりゃ良かった。



【いい加減なあらすじ】
「妻を殺しました」
妻を殺害したと自首してきた、ベテラン警察官である梶聡一郎。彼は妻を殺害した経緯や動機は話すものの、殺害から自首するまでの2日間に何をしていたかを決して明かそうとしない。
彼は2日間の間に何をしていたのか?何を思っていたのか?
刑事、検事、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官の6人の男達が、「空白の2日間」を追い求める。


 始めは章ごとに視点が変わるのが嫌だったのに、途中からはそんな事も言えなくなってしまいました。推理小説ってメインが事件とその推理にあるから、登場人物の人生が作中で描かれても「事件ありきの人生」になってしまう。そうすると、どうしても薄っぺらい人生描写になる。けど、この小説は梶を含む7人の男達の人生をしっかり描いているので、そんな風には感じませんでした。「人生ありきの事件」という感じがしました。

 なかでも、裁判官である藤林圭吾の章は秀逸。まぁ、正直なところ「妻に父親の看護押し付けておいて何偉そうな事言ってんだよ!」と思わなくも無いのだが、この章で物語がぐんっと深みを増しているのは事実。上手い。

ただ、オチに物足りなさが残る。いや、充分に予想外な真相だったんですが、それまでの章が良すぎたためにオチが妙に薄っぺらく感じられたのですよ。



このムックに掲載されていた「山椒魚」という話、最後の一行にやられた。オチが読めるし、微妙な話だなぁと思っていたのに…鳥肌立った。




「本の雑誌」などで活躍中のイラストレーター・沢野ひとしが作ったキャッチコピーの中から、最強のコピーを「本の雑誌」メンバーで決めようという本。むちゃくちゃ面白かった!

お気に入りのコピーは
・階段のあかりをつけたら妻がいた
・猫の足跡をおったら春になっていた
            ・過去はいいから夢をかたれ
            ・精神的に犬に負けた

特に「階段のあかりをつけたら妻がいた」は秀逸!本屋で立ち読みしてて、思わず吹き出してしまった。夫婦の、静寂と緊張の一瞬を妄想してしまったよ。

いやぁ、沢野さん凄いなぁ。「本の雑誌」2007年1月号の表紙に書いてあったコピー、「成長して父になった」も好きです。この訳の分からなさがツボ。しかし、2月号から表紙のデザインが変わったのがショック。毎号楽しみにしてたのに。

私は森茉莉が好きです。が、この人の小説に出てくる人物に、感情移入できたためしがありません。森茉莉の小説の登場人物は、何故こう一癖も二癖もある奴ばかりなんでしょう。
しかも、この話ときたらもう…初めてこれを読んだ時、思わず本を放り投げそうになりましたよ。



本当に いい加減なあらすじ】
簡潔に申し上げると…
「美少年に嵌った男が嫉妬に狂い、嗜虐趣味に走り、あげくの果てに少年を殺し、自殺する」という恐ろしい(?)話。


いやいや、こんな話をこれほど耽美なものに仕上げてみせる森茉莉の才能には脱帽ですとも。レオの死が美しく描かれているのに対して、ギランの死に様は本当に怖かった。ただの「お涙頂戴」な話ではないところが、もう何と言ったらよいのか…

唯、一点だけ気になることが。
この話、別にレオが少年である必要はないのでは?美少女でも充分、話は成り立つような気がするのですが。
あー、結局の所は森茉莉の趣味ですかね…。
(違ってたら申し訳ない。でも趣味っぽい気がしてならないのですが)

この話は、新潮社文庫の『恋人たちの森』という本に収録されてます。しかし、できる事なら、旧仮名遣いの単行本で読んで頂きたい。現代仮名遣いの文庫版では魅力が半減されてしまいます。
(と言うよりも、私は旧仮名遣いの美しさに酔わなくては、とても冷静には読めませんでした。文庫版、ほんと勘弁して下さい…)

ひぃぃぃ!気分転換のつもりで気軽に読み始めたら、とんでもない事に……そもそも、こんなタイトルの小説を気分転換にしようと思った私が間違っていた。

結局、作中では犯人が明かされないという恐ろしい小説。一晩かけて犯人を推理してしまいました。貴重な睡眠時間が…あぁ。


【いい加減なあらすじ】
ある女性が、恋人に裏切られた事を苦に自殺した。
相手の男はそのことを隠蔽しようと、友人と共に偽装工作を行う。
上手くいけば、何の問題も無いはずだった。
――忌まわしい殺人事件が起きるまでは……

嘘をついているのは誰?
哀しみの表情の裏で微笑んでいるのは誰?



一晩考えて、自分なりに推理し、犯人の目星も付けました。
が、あくまで自分の推理だからなぁ。作者の答えを聞くまでは、スッキリ出来ん。
ってことは、一生スッキリ出来ないわけだ。(遠い目)
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